聖マリアンナ医科大学

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主な対象疾患・治療法

1.前立腺癌

A)前立腺癌とは?

前立腺癌とは、男性だけにある前立腺という臓器に発生する癌のことです。

前立腺は生殖器ですので、生殖活動には欠かせないのですが、前立腺が無くても生きていくことは可能です。前立腺は約3センチ程度、クルミくらいの大きさで、重さは成人の男性で15~20gくらいです。前立腺外側は膜に包まれていて、この膜の内側には前立腺液を分泌するための腺組織が通っています。そして内部には、尿道の回りにある内腺と、この回りにある外腺に分かれているのです。前立腺癌は、外腺に多く発生します。
前立腺の位置は膀胱の直下にあり、恥骨と直腸に挟まれるように位置するため肛門から5㎝くらい入ったところを指で触ると、前立腺を触って確認することができます。

前立腺癌患者数は、世界的に増加傾向にあります。アメリカでは10年ほど前から男性癌罹患数第一位となっています。日本でも同じ道をたどるのはあきらかだと専門家はみています。

前立腺癌症状は初期の段階ではありません。多くの患者はPSA検査異常値を認めたため、前立腺癌精密検査を受けています。一方で進行した前立腺癌は骨に転移しやすいため、下肢や腰の痛みを訴えて、発見されるケースも多いのです。

B)PSA検査とは?

PSA(前立腺特異抗原)は、前立腺の細胞が作り出しているタンパク質のひとつです。通常は前立腺内部に向けて分泌されていますが、癌細胞は正常の細胞に比べてこれをたくさん産生し、かつ血液中に多くが流れ出しています。PSA値を調べることによって癌の有無を予測することが可能です。一般にはタンデム法という測定方法が用いられ、正常値は4.0以下とされています。ただし、年齢によってはさらに低い値を上限と考えます。最近は、ドックや検診でもさかんに取り入れられるようになってきています。
PSA検査は、 CT・ MRIなどの画像検査では癌の存在を確認できないような初期の段階から敏感に反応し、これが近年の診断率の向上に大きな役割を果たしています。

C)前立腺癌診断までの流れ

①PSA高値となる前立腺癌以外の疾患の検索
PSA値はとても鋭敏な検査ですが、それ以外の要因(前立腺肥大症や前立腺炎など)でも上昇する可能性があります。排尿に関する問診や尿検査、残尿測定検査を行い、それらを除外します。
②画像検査
MRI(造影)を行い、癌の有無や癌の局在(前立腺内のどこにあるか)を確認します。
③前立腺生体検査(生検)
検査は2泊3日入院で行います(検査前日入院~検査翌日退院)。手術室にて麻酔管理下で検査を行うため痛みは比較的軽度です(検査時間約15分)。
④退院約2週間後外来受診
病理検査結果を説明します。
生検組織内に癌組織を認めると『前立腺癌』と確定診断します。
前立腺癌の悪性度が診断後の治療方針決定に重要です。病理組織学的に悪性度をスコア化します(Gleason分類:2-10点)。スコアが高いほど、リスクの高い癌と考えられています。
前立腺腺癌と診断した場合は、転移病変の検索検査が必要です。

D)病期診断/ステージング

骨、リンパ節や他臓器(肺、肝など)への転移を骨シンチとCTで確認します。3 骨シンチグラフィ骨転移の有無を確認します。
前立腺癌TMN分類
・TX 原発巣の評価が不可能
・T0 原発巣なし
・T1 触知不能、画像では診断不可能
・T1a 切除標本の5%以下
・T1b 切除標本の5%超
・T1c 針生検により確認(たとえばPSAの上昇による)
・T2 前立腺に限局する腫瘍
・T2a 片葉の浸潤する腫瘍
・T2b 両葉に浸潤する腫瘍
・T3 前立腺被膜を越えて浸潤する腫瘍
・T3a 被膜外へ進展する腫瘍
・T3b 精嚢へ浸潤する腫瘍
・T4 精嚢以外の隣接臓器(膀胱頸部、外括約筋、直腸、拳筋および/または骨盤壁)に固定または浸潤する腫瘍

E)前立腺癌の治療

治療の選択肢は、病期・患者様の年齢・QOL(生活の質)の維持・社会的状況等によって異なってきます。
・待機療法
・手術療法(前立腺全摘除)
・放射線療法(体外照射・小線源療法・粒子線・陽子線等)
・内分泌(ホルモン)療法
・手術・放射線療法+内分泌療法など
①手術療法
根治的治療のひとつで、限局癌が対象となります。
手術は全身麻酔下に行われ、前立腺と精嚢をあわせて摘除します。
輸血が必要となる場合があります。
合併症後遺症として、失禁・排尿困難、勃起障害が代表的です。
当科では鏡視下小切開手術認定施設であり、鏡視下小切開前立腺全摘手術を行っております。高い根治性と少ない患者負担を両立した手術を可能にしています。
②放射線治療
根治的療法のひとつですが、転移再発した場合の局所治療として、また痛みのコントロールとしても有用です。
体外照射は、体の外から前立腺部を中心に放射線を当てます。
治療期間が7週間程度かかります。近隣の神奈川県立がんセンター放射線科に紹介し、外来通院治療可能です。副作用として、放射線による膀胱直腸炎(頻尿・頻便・直腸からの出血など)・皮膚炎・倦怠等が出現することがあります。一方、失禁・排尿困難等の危険は低く抑えられます。
また重粒子線治療が2018年4月より保険適応になり、これまで高額(300万円前後)であった患者負担費用が軽減されました。神奈川県立がんセンター放射線科へ重粒子線治療目的で紹介も可能です。
※神奈川県立がんセンター重粒子治療施設i-Rock: http://kcch.kanagawa-pho.jp/i-rock/index.html
小線源療法を希望される方は治療可能施設へ紹介します。
③内分泌療法
一般に前立腺は、男性ホルモンを栄養源としています。とくに癌細胞は男性ホルモンをたくさん摂取し、その数を増やしていきます。
男性ホルモンは、精巣(睾丸)から分泌されるため、この供給を断ってしまうと癌は育つことができなくなります。

2.腎癌

A)腎臓とは?

腎臓は後腹膜腔という背中に2つ、左右に存在します。

腎臓の働きは以下のようなものがあります。
尿を作って体をきれいする。
貧血を防ぐホルモンを出す。
骨を丈夫にするホルモンを出す。

B)腎癌とは?


腎臓にできる癌を腎癌といいます。
現在、1年間に約10000人の方が腎癌と診断されています。およそ10万人に4〜5人の方が発症されます。最近増加してきている癌です。健康診断や別の疾患精査で偶発的に発見される癌『偶発癌』が増加しています(腎癌全体の6割が偶発癌)。診断は造影CTでほぼ可能です。一部困難な場合などは生検などの組織検査を行う場合もあります。特に日本ではCTが簡便に撮影できることもあり、偶然発見されることが多いので早期発見され、結果治療成績も良い可能性が指摘されています。

C)腎癌の治療

他の癌と違って抗癌剤や放射線治療が効きづらく、手術が基本です。
手術の方法を決める要因

1. 癌が4cm以下の場合

腎部分切除術(癌とその周囲だけを切除)
健常腎機能を最大限温存するため、腎癌部を含めた腎部分切除術を行います。
当科では腹腔鏡補助下小切開“無阻血・無結紮”腎部分切除術を主な術式としています。

2. 癌が大きい(≧4㎝)・腎部分切除困難な場合

腎摘出術
通常は腹腔鏡/後腹膜鏡で手術します。
癌が大きい場合は開腹手術になることがあります。

3. 癌が周囲に進行している場合

腎摘出術、他臓器の合併切除
癌が静脈内に及んでいる場合 腫瘍塞栓除去術(血管の中の腫瘍の塊を取る)を併せて行います。周辺の臓 器に浸潤している場合には、他の科の先生とも協力して腫瘍を切除することもあります。

4. 他の部分にも癌が疑われる場合
腎摘出術、転移巣の摘出術
やはり腎臓を摘出する必要があります。転移性腎癌でも腎臓摘出が予後を改善するされています。単発であれば転移巣も切除する場合があります。

5.術後について
転移がない方の場合は定期的に採血やCTを行い、再発の心配がないかを確認して行きます。通常最初の3年間は3ヶ月から半年おきにCTを行います。
腎癌は手術から10年以上たって再発することもあります。5年以上たっても定期的な経過観察が必要です。
手術以外の治療法もあります。最近腎癌に対しては分子標的薬が使用可能となり、治療効果を上げています。

3.膀胱癌

膀胱の解剖図

A)膀胱とは?

膀胱は腎臓で作られた尿をためる臓器です。腎臓から尿が送られてくる左右の尿管と尿を出す尿道がつながっています。尿が溜まって我慢しているとおなかの一番下が張ったような感じがすると思います。その部分が膀胱です。男性と女性では少しまわりの臓器が違います。男性の場合には膀胱からでる尿道の周囲に前立腺があります。また、男性では膀胱のすぐ背中側が直腸ですが、女性は膀胱のすぐ背中側が膣、そのまた背中側が直腸になります。

B)膀胱癌とは?

膀胱の粘膜にできる癌です。
血尿が最も多い症状です。痛みを伴わない場合が多いですが、膀胱炎などをともなう場合もあります。
喫煙が膀胱癌の発癌リスクになります。
医薬品では抗癌剤のシクロフォスファミド、最近、発売禁止された鎮痛剤(頭痛薬)フェナセチンなどが報告されています。日本ではほとんど見ることはありませんが中東、北アフリカの地方病であるビルハルツ住血吸虫の感染も危険因子です。
家族性のものはあきらかになっていません。 癌の根の深さ(どの程度膀胱に食い込んでいるか)によって治療法が変わります。

C)膀胱癌の疫学

日本人の男性では、膀胱癌は10番目に多い癌と言われています。人口10万人に対して25人程度の方にできます。男性が女性より3-4倍程度多い癌です。男性が多い理由ははっきりとはわかっていません。

D)膀胱癌の症状

膀胱癌の症状で最も多いのは血尿です。血尿のなかでも尿検査をやって初めてわかるような血尿ではなく、実際に自分の目でわかる血尿がでたために診断されます。膀胱癌が原因で血尿が出る時には、痛みが全くないことがよくあります。逆に、多くはありませんが、血尿が出ずにおしっこの時の痛みなどで見つかる方もいらっしゃいます。

E)膀胱癌診断/検査

①尿検査・尿細胞診検査
潜血反応陽性あるいは顕微鏡的血尿(肉眼ではわからない、顕微鏡で初めてわかる血尿)、肉眼的血尿がある場合に尿細胞診で尿中の癌細胞の有無を診断します。

②腹部超音波検査

尿を貯め膀胱を充満させることで内部を観察することができ、患者さんの負担が少ない検査として優れています。また、腎臓も同時に観察します。

③膀胱鏡検査

膀胱内部を観察し腫瘍の有無を判断します。以前は硬性鏡という金属製の内視鏡でしたが、現在は柔らかファイバースコープと以前より痛みが少ない検査となりました。診断に必須の検査で、外来で行えます。

④CT・MRI・PET/CT検査
画像検査で癌が全身に広がっていないか、膀胱の周囲に広がっていないかなどを評価します。治療方針を決める上で必須の検査です。

CT検査


MRI検査

F)膀胱癌の局所浸潤

G)膀胱癌の治療

①経尿道的膀胱腫瘍切除(TUR-Bt)
内視鏡を使って膀胱の腫瘍を削り取ります。以下の写真に示すような内視鏡を使って、根の浅い癌であればこの手術だけで癌取り除くことが可能です。膀胱癌の第一選択となる治療です。また、筋層非浸潤性膀胱癌に対してはほぼ全ての患者さんに対してTUR-Btが終わった直後に膀胱内に抗癌剤を入れます。この方法により膀胱癌の再発リスクを減らすことが明らかになっています。
②TUR-Bt+膀胱内BCG注入療法
TUR-Btが終わって退院していただいた後で、膀胱内に薬剤を入れる治療を行います。これには2つの意味があります。1つは現在ある膀胱癌に対する治療で、もう1つは同じような膀胱癌が膀胱内にできるのを防ぐ予防のためです。治療としての膀胱内注入療法は「膀胱癌浸潤形式の違い」に書いたTisという上皮内癌に対して行います。この膀胱癌は膀胱粘膜から飛び出すような隆起性の癌ではなく、膀胱粘膜と同じ高さで這うように広がっていく癌であるため、TUR-Btで全てを切除することは難しいと考えられています。そこでBCGを膀胱内に入れます。みなさん、「BCGワクチン」と聞いたことがあるでしょう。結核予防のために生後接種しているのが「BCGワクチン」です。「BCG」とはウシの弱毒の結核菌です。これを膀胱内にいれると膀胱の免疫反応に働いて膀胱癌細胞を破壊します。実際有効であることは科学的に証明されています。多くの場合、1週間に1回投与することを6回繰り返しますが、炎症反応が極めて強く、重症の膀胱炎のような症状(排尿時の痛み、血尿、排尿回数の増加、残尿感、など)や発熱が起こることがあります。中には半年おきに3回の膀胱内投与を繰り返す場合もあります。再発の予防に対してはBCGを使うこともありますし、抗癌剤を使うこともあります。膀胱癌の根の深さやその悪さ、数、大きさなどからどちらを使うかは判断します。
③膀胱全摘
内視鏡で癌が取り除けない根が深い癌の場合、膀胱を全て摘出します。根の深い癌の場合、CTやMRIなどの画像診断で検出できないような小さな転移がある可能性が高く、多くの患者さんは膀胱全摘除術の前に、抗癌剤治療を行います。膀胱を摘出した場合は尿の出口を新たに作成する(尿路変更術)必要があります。
④尿路変更術
尿路変更術は主に以下の2つを行います。
ⅰ)回腸導管増設術
回腸導管は、回腸の一部に尿管とつなげ(図1)、反対側をお臍の横から出します(図2)。そこから自然におしっこが出ますので以下に示した袋を皮膚につけます。


図1


図2

ⅱ)尿管皮膚瘻増設術
腸を使った手術を行えない患者さんや、手術時間を短くする必要がある患者さん、合併症の多い患者さんに対して行います。尿管を直接皮膚に出して自然におしっこが出るようにします。間に腸が無いためどうしても感染症の危険が高くなるという欠点があります。
⑤放射線治療
ご年齢や合併症などの理由で膀胱全摘除術が困難な場合、放射線と抗癌剤を併用して治療します。
また、転移がある膀胱癌患者さんに痛みを取ることを目的として転移部位に放射線療法を行うこともあります
⑥化学療法
CTやMRIで既に転移(リンパ節や肺など他の部分に癌がある状態)が疑われる場合や癌が膀胱の周囲に広がっている場合は抗癌剤による治療が有効です。以前は、抗癌剤の全身投与は副作用が強く患者さんの負担が大きい治療と思われがちでしたが、最近では様々な副作用を減らす有効な治療が確立しているため、ちょっとした全身倦怠感程度ですむ場合が多くなっています。

5.前立腺肥大症

こんな症状でお困りの方は前立腺肥大症による排尿障害が考えられます。


前立腺肥大症により尿道が圧迫されて症状が出現します。

1. 尿が出づらい、線が細い
2. 時間がかかる
3. 残尿感があり、スッキリしない
4. 夜、何度もトイレに行く
5. 尿が出ない
前立腺肥大症による症状は内視鏡手術により改善が期待できる場合があります。当科では経尿道的前立腺核出術(TUEB)を行っています。以前の経尿道的前立腺切除術(TUR-P)に比べ身体的負担を軽減した高齢者でも安全に施行可能です。入院期間は1週間以内です。

6.副腎腫瘍


高血圧、糖尿病、肥満でお困りではありませんか?
これらの病気が手術で治るとしたらどうでしょう。
原発性アルドステロン症という病気を聞いたことはありますか?

高血圧というと血圧を下げるために何種類も薬を飲んだり、またずっと飲み続けないといけないと多くの人が思われています。確かにその必要がある患者様もいらっしゃいます。しかし、中には手術で高血圧が改善し、内服薬を中止することが可能な方もいます。

また、クッシング症候群や褐色細胞腫という病気を聞いたことがありますか?
いずれも副腎と言われる臓器の病気で、これが原因で高血圧や肥満、糖尿病を起こすことがあります。
ここでは泌尿器科で扱う副腎の代表的な三つの病気について説明します。

①副腎とは

副腎は後腹膜という部分にある臓器で、体の背中側にあります。
大きさは1cm程度でCTでは線のようにうっすらと見えるだけです。
そこに腫瘍ができると大きくなり、CTなどの画像検査で確認できるようになります。
副腎は生命の維持に重要なホルモンを産生する臓器です。副腎は皮質と髄質の2層構造で、副腎皮質からは体内での糖の蓄積と利用を制御する糖質コルチコイド、無機イオンなどの電解質バランスを調節する鉱質コルチコイド、そして生殖機能に関与する性ホルモン、特にアンドロゲンが産生されます。
一方、副腎髄質からは、カテコールアミンホルモンであるエピネフリン(アドレナリン)、ノルエピネフリン(ノルアドレナリン)が分泌され、体のストレス反応などの調節を行っています。
②副腎腫瘍の手術
副腎腫瘍の手術は原則腹腔鏡(おなかにカメラを挿入して行う)で行います。開腹手術に比べて術後の痛みが軽く、回復が早いです。手術の翌日から、歩行可能です。通常術後1週間程度で退院が可能です。
③副腎腫瘍の種類
(1) 原発性アルドステロン症
症状
高血圧の約10パーセントの患者にこの病気がみつかります。
特に、内科で高血圧に対して薬を何種類ももらっている患者様(薬剤抵抗性の高血圧の方)は、この病気について調べてもらいましょう!
その他、この病気に特徴的である低K血症に伴う症状でみつかる場合もあります。

副腎偶発腫瘍(健診等の画像検査で偶然みつかる腫瘍)の約3%にこの病気がみつかります。
この病気を手術せずに放置しておくと、心肥大、脳卒中が高頻度に認められることがわかっています。

診断
高血圧の患者様、特に複数の降圧薬を服用されている方は、採血で本疾患に特徴的な所見であるアルドステロン高値、カリウム低値がないかを確認します。

原発性アルドステロン症が疑われたら、CTで副腎に腫瘍がないかを確認し、機能的確認検査を行います。当院では、最新の細かく撮影できるマルチスライスCTにより診断精度が向上してきています。それでも、診断がつかない場合は足の付け根からカテーテルを挿入し副腎近くの静脈の採血(副腎静脈サンプリング)を行うことによりCTで検出できない微小腺腫も発見可能です。
治療後、血圧は術後数週間から数年かけて改善し、降圧薬を中止、あるいは減量が可能です。
罹病期間が長い方は既に動脈硬化等がおこっている可能性があります。また本態性高血圧を合併している方では高血圧が残存するため、長期間の経過観察必要となります。

(2) 褐色細胞腫
症状
発作性高血圧、治療抵抗性高血圧、家族性の褐色細胞腫、高血圧+糖尿病、麻酔や外科手術や血管造影中の血圧上昇などが当てはまる方は、この病気が疑われます。
動悸、不安感、顔面の蒼白、頭痛などの症状が多く認められます。
放置すると、心筋症、高血圧性脳症、脳血管疾患による突然死、心不全などを起こしたりします。
診断
尿中、および血中カテコールアミン濃度を調べます。
CT、MRI、PET-CT、131I-MIBGなどの画像検査を行います。

MIBGシンチ
病変部に集積を認める


造影CT(←副腎腫瘍)

治療
手術前には十分な降圧剤(アルファブロッカー)の内服と輸液が必要なため手術1週間程度前から入院する必要があります.
高血圧は術後すぐに下がります。手術で糖尿病も改善します。

(3) クッシング症候群

症状
慢性的なコルチゾールの過剰状態が持続するため、様々な病態を引き起こします。

診断
血液中の副腎ホルモンやホルモンの日内変動を調べます。様々なホルモンを投与して行う負荷試験なども行います。CTで副腎の腫瘍を確認します。

治療
術後高血圧や糖尿病は改善します。
体型や肥満も改善します。
術後ホルモン補充が必要になるため、しばらくステロイドの内服が必要です。

7.尿路結石

症状

多発尿路結石

腎臓の結石は無症状のことがおおく、健康診断などで偶然見つかることが多いです。
尿管に結石があると、尿管閉塞による尿のうっ滞/水腎症がおこり
「背中や脇腹がとても痛い」
「吐き気がする」
「吐いた」
「なんども排尿にいく」
「残尿感がある」
「尿に血が混じる」
「排尿時に石が出た」
などの尿管結石の自覚症状が急に出てくることがあります。

治療

当科では2017年8月より最先端の内視鏡とレーザー機器をラインナップして経尿道的結石破砕術(TUL/URS)を開始しています。


レーザで尿管結石を砕石しているところ。