聖マリアンナ医科大学

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消化器・一般外科(消化器外科)

主な対象疾患・治療法

胃癌の治療について

1) 胃癌とは

胃の内腔側の胃粘膜より発生し、塊になって隆起したり、潰瘍となり陥没します。また、時々、胃粘膜から発生した癌が、表面に発育せず、胃壁深部を這うように広がります。日本人に多い病気であり、40歳を超えたら、毎年検診を受けることが望ましいです。発症要因の一つとされる、ピロリ菌は、生活習慣や生活環境により、小児期に感染するとされ、近親者に胃癌の方がいる場合は、生活習慣が引き継がれているため、注意が必要です。

2) 症状

胃の痛み・不快感・違和感、胸やけ、吐き気、食欲不振

3) 診断

a) 胃の内部より粘膜の凹凸や色調変化をみます。
・上部消化管造影検査
・上部内視鏡検査 (異常組織を直接採取して、診断名を確定できる。)
b) 胃以外の臓器への広がりを確認します。
・CT検査
・超音波検査
・MRI検査

4) 治療

胃癌の進行程度に応じた治療法が、選択されます。
a) 癌が粘膜内に留まる場合(早期癌)
・内視鏡的粘膜切除術(EMR) 粘膜下層に液体を局注し、病巣を挙上させ、病変基
部にスネアをかけて高周波電流で焼灼切除する。
・内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)  粘膜下層に液体を局注し、病巣を挙上させ、周
辺より切開、剥離を進めて、一括切除する。
b) 胃粘膜より深く侵入した場合(早期癌の一部と進行癌)
・胃切除手術 進行の程度に応じて、アプローチ方法が2つあります。
開腹手術
腹腔鏡下手術(小さな傷で手術する。創が小さいと手術後の痛みが少なく
回復が早いので、早期退院、社会復帰が可能です。)
c) 広範囲に進行(胃以外の臓器へ)した場合
・抗癌剤治療
・緩和手術(バイパス手術など)
・緩和治療(痛みのコントロールが中心となる)

大腸癌の治療について

1) 大腸癌とは

大腸(結腸、直腸)の内腔側の大腸粘膜より発生し、塊になって隆起したり、潰瘍となり陥没します。また、まれに、大腸粘膜から発生した癌が、表面に発育せず、大腸壁深部を這うように広がります。食生活の欧米化もあり、死亡者数は年々増加しています。 日本人に多い病気であり、40歳を超えたら、毎年検診を受けることが望ましいです。発症要因に、生活習慣があるとされ、赤肉(牛、豚、羊など)や加工肉(ベーコン、ハム、ソーセージなど)の摂取、喫煙、飲酒により危険性が高まります。また、遺伝によって発症することがあります。

2) 症状

血便(便に血が混じる)、下血(腸からの出血で、赤又は赤黒い便が出たり、便の表面に血液が付着する)、便が細い、残便感、腹痛、貧血、体重減少、下痢と便秘の繰り返し、腹部膨満、腸閉塞など。

3) 診断

a) 肛門から直腸内に指を挿入し、指の感触で、しこりや異常の有無を調べます。
・直腸診
b) 大腸の内部より粘膜の凹凸や色調変化をみます。
・下部消化管造影検査
・下部内視鏡検査 (異常組織を直接採取して、診断名を確定できる。)
c) 大腸以外の臓器への広がりを確認します。
・CT検査
CTコロノグラフィ(CTのデジタル画像データを使った仮想内視鏡表示や仮想注
腸表示)
・超音波検査
・MRI検査

4) 治療

大腸癌の進行程度に応じた治療法が、選択される。
a) 粘膜内または粘膜下層に一部侵入した場合(早期癌)
・ポリペクトミー 病変頚部にスネアをかけて高周波電流で焼灼切除する。
・内視鏡的粘膜切除術(EMR)  粘膜下層に液体を局注し、病巣を挙上させ、ポリペ
クトミー手技で切除する。
・内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)  粘膜下層に液体を局注し、病巣を挙上させ、
周辺より切開、剥離を進めて、一括切除する。
b) 粘膜下層より深く侵入した場合(早期癌一部と進行癌)
・大腸切除手術 進行の程度に応じて、アプローチ方法が2つありますが、大腸で
は、ほとんど腹腔鏡下手術です。
・腹腔鏡下手術(小さな傷で手術する。創が小さいと手術後の痛みが少なく回復が早いので、早期退院、社会復帰が可能です。)
# 人工肛門が増設される場合
1 癌が肛門近くにあると、肛門を含めて癌を切除する必要があり、その場合は人工肛門になります。但し、極力肛門を温存すべく工夫しています。
2 腸管切除後、吻合(残った腸管同士を繋ぎ合わせる)部位の安静を保ち、縫合不全(繋ぎ合わせ部位の漏れ)を回避するために、離れた上流の腸管を、人工肛門とします。
3 緊急手術で、縫合不全が合併するリスクが高いと予想される場合、吻合せず、人工肛門とします。

# 肛門に近い早期直腸癌に対して,肛門内からアプローチして癌を切除する場合(経肛的切除)があります。

c) 広範囲に進行(大腸以外の臓器へ)した場合
・大腸切除術 + 抗癌剤治療
・抗癌剤治療
・放射線治療
・緩和手術(バイパス手術など)
・緩和治療(痛みのコントロールが中心となる)